高校の修学旅行の時
「金閣寺」に行った。

「行った」という表現は、適切ではない。
「駐車場まで行ったが、入れなかった」が正当な表現。
また
この修学旅行に行くこと自体にドラマがあった。
ぼくは、高校球児だった。
マジで甲子園を目指していた。
母校の修学旅行は、毎年夏、
それも甲子園県予選の最中に開催されていた。
ので、先輩方のほとんどは
修学旅行に行ってなかった。
だから、ぼくらも当然行く気はなかったし、
修学旅行ではなく、
合言葉は「甲子園へ行こう」だった。
ところが、県予選(たぶん準々決勝)で敗退。
その翌日が、修学旅行の出発日だった。
複雑な心境だった。
修学旅行に行けるという喜びなど皆無だった。
それは、ぼくを含め、
チームメイト全員そうだった気がする。
そうやって出発した修学旅行。
そして辿り着いた京都「金閣寺」。
駐車場に着いた途端、大きな塊の雹(ひょう)が落ちてきた。
その雹(ひょう)は、
直径3~5cmの大きさの巨大なものだった。
外に出たか、出ないかの時で
みんな慌ててバスに引き返した。
その時、バスの中から見えたのは、
駐車場でお土産を売っているおばちゃんの悲惨な状況だった。
売店であるテントは無残にも雹(ひょう)で
こっぱ微塵に壊され、壊れたテントの中で
頭を何かで覆いながら、恐怖に打ち震えていた。
頭に当ったら、
ホント死んでしまうほどの大きさの雹だった。
「おばちゃんがやばい!!」
バスから3人の生徒が飛び出し、
おばちゃんを救出し、バスまで連れてきた。
バスから飛び出していったのは、
昨日敗退した野球部の仲良し3人組だった。(笑)
その夜、全生徒の前で紹介され、
喝采を浴びた。(笑)
金閣寺は見れなかったけど、
それが、ぼくの修学旅行の思い出。(笑)
それから30年後、願いは叶った。
(つづく)
PS.甲子園はいけなかったけど
修学旅行から帰って来た時、「行ってよかった」と思えた。(笑)
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