行き当たりバッタリ

『今日はどこに泊まるんですか?』
『さ~どこになるんでしょうね?』(笑)
他人事みたいな発言に、参加者の顔は一瞬固まる。
ツアーを企画して、連れて来ているのに
予定は全て行き当たりバッタリ。
ホテルさえ決まっていない。
でも私を信頼してくれて、参加者は腹を決める。
今回は、1週間の間に宿を3回変わった。
その時、その時の状況、みんなの目的に応じて
場所を移動したからだ。
時には、みんなで部屋見学をしながら宿を決めた。
その3つの宿は、私も初めて泊まる場所ばかりだった。
腹の据わった参加者のお陰で、私も大いに冒険させてもらった。(笑)
 
私は昔、バックパッカーに憧れていた。
宿も決めずに、世界中をリュック一つで旅する若者達を。
時に私は30歳になっていた。
「あんな事したかったけど、私はもう30歳になってしまった。
せめて25歳までにそれをやりたかったな~。でも、もう今さら・・・・・・」
自由に世界を飛び回る人々に、
その自由な精神に、大いに憧れた。
でもその反面、とっても悔しかった。
できない自分が悔しかった。
その悔しさは、エネルギーに変わった。
「悔しい思い」=「自分がやりたいこと」=「でも出来ていない」
という構図が、心理の中にはあると思う。
だって自分の理想じゃないものには、
憧れも生まれなければ、嫉妬心も生まれるはずないから。
イチローにもキムタクにも憧れた事は一度もない。
だって自分が望んでいる理想ではないから。
 自分が悔しいと思う、その裏にこそ、
 自分が望む理想が隠れている。
       
                       by マスター
30歳?40歳?
まだまだ若造ですよ。
バックパッカーのように行き当たりバッタリの旅は、
人生の縮図のよう。
毎日が新しい景色の中で変化していく。
毎日の変化の波を受け入れる柔らかさと、
自由な精神、強さに憧れてきた。
私は、今、憧れを生きている。

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