仕入れ交渉

私は、ほとんど値切り交渉をしない。
「安くしてね。お願い。」と言うだけ。
まだ安くなりそうな気がしても、それ以上は無理な値切りはしない。
ほぼ一発で、値段交渉は終わる。

今回の旅で、それを見ていて不思議に思ったのか、1人の人にこう言われた。
「自分が売る立場にもなったから、両方の立場が分かるからでしょうね」と。
その時、私はこう言った。
「いやちょっと違う。
もう今ではある程度の相場が分かっているから、こちらには余裕がある。
そして、相手にも嬉しい価格で、儲けてもらわないといけないから。
だから、無謀な値切りはしなくなった。」と説明した。
その後、その人の言葉が胸にひっかかっていたので、よく考えてみた。
すると、
”そうだわぁ。売る立場にもなったんで、相手の気持ちも分かるようになったんだわ。
それで両方の立場が分かるようになったから、余裕が生まれたわけで。
こちらに余裕があるから、相手も信頼してくれて、お互い納得できる価格を初めから提示してくれるわけで。”
と素直にそう思えた。

ちょうどここに、6年前、初めてタイに行った時、
この仕入れに関するエッセイを私は書いていたものがある。
今読むと、とっても恥ずかしい気がする。
なんと無駄なエネルギーを使っていたのだろうと。
なんと横着な交渉をしていたのだろうと。
勝ち負けの値段交渉をしていた。
タイ編・第7話(パッポン通り)
この人です。
インド人のおばさん。
 「インド人には、気をつけろ。
 ケツの毛まで抜かれるぞ!」

          by  マスター
ところが、翌日も私はノコノコとこの店を訪れた。
そして、このおばさんとお昼を一緒に食べ、
チャイまでご馳走になった。
やられちゃったかな?と思いつつも、魅力ある人だった。
全てが「インド・マジック」。
タイというぬるま湯に浸かっていた私に、
インド流の「喝!」を頂いた。(笑)
別れ際に、「売れたら、また来ますね」と言う私に、
間髪を入れずに彼女は、こう言った。
『売れるに決まってるじゃない!またおいで!!』
最後まで、圧倒されっぱなしだった。(爆)

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