詠み人知らず

この世が完全であった時代には、
誰も価値ある人間に注意を払うことなく、
能力ある人を敬うことはなかった。
支配者とは木のてっぺんの枝にすぎず、
人民は森の鹿のようだった。
彼らは誠実で正しかったが、
自分たちが『義務を果たしている』という認識はなかった。
彼らは互いに愛し合っていたが、
それが『隣人愛』だとは知らなかった。
彼らは誰も騙すことはしなかったが、
それでも自分たちが『信頼すべき人間』だとは認識してなかった。
彼らは頼りになる人間だったが、
それが『誠』だとは知らなかった。
彼らは与えたり受け取ったりしながら自由に生きていたが、
自分たちが『寛大』だとは知らなかった。
それゆえに彼らの行為は語られた事がない。
彼らは歴史を作らなかった。
                                 ~詠み人知らず~
素敵な文だったので、おすそ分けです。
健康な人は、健康について考えない。
プラス思考な人は、「プラスに考えなきゃ!」とは思わない。
・・・みたいなもんですね。(笑)

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