東京タワー

家の本棚に立っていた
まだ読んでない本「東京タワー」(リリーフランキー著)
に目が止まった。

ちょっと前までのぼくは、
世間の流行というものには、
いつも冷ややかな目をしていた。
しかし最近は、
それが流行るということは、
そこに何らかの魅力があるわけで、
それが今の時流だよな、
と素直に感じるようになった。
といいつつも、
かなり流行が過ぎ去った今頃になって
「東京タワー」を読んだ。(笑)

心の深いところに響く本だった。
とてもこの1話のブログで書きつづれないほど
多くのものが、ぼくの中で突き刺さり、
気づいていなかった何かを刺激した。

子供の一日、一年は濃密だ。
密度の高い正常な時間が正しい速さで進んでいる。
日々訪れる輝きや変化に、節操がないほど勇気を持って進み、
変わっていく。
「なんとなく」時が過ぎることは彼らにはない。
大人の一日、一年は淡白である。
前進なのか、後退なのかも不明瞭なまま、
スローモーションを早送りするような時間が、
ダリの描く時計のように動く。
輝きを見出す瞳は曇り、変化は好まず、立ち止まり、変わり映えがない。
ただ、「なんとなく」時が過ぎていく。

ぼくの人生においても
若かった頃に抱いていた
何でもできるという無限の可能性は、
無限から有限へと変わった。
もうできないこと
まだ微かな可能性があるものとに
はっきりと区分され始められてきた。
その限られた可能性の中で、
何を選択していく?
みんなが漠然と感じているであろうことを
それを言葉で言い表す表現力に
ぼくは深く脱帽した。
目を背けたくなるような人生の深み
ダークな部分すらも淡々と
当たり前のこととして差し出してくる。
流行本ではなく、傑作の名書でした。
人は老いていく。
ぼくの時間も刻々と終わりに向かって進んでいる。
周りの人々と一緒に。
時は、
やるべきこと、選択するべき道が何なのかを
教えてくれることもなく、
過ぎていく。
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