東京物語⑤

ピシット先生の講習会、出版記念パーティーを終え、
東京に来た最大の目的、
東京でタイ古式マッサージの講習会を開くための
「会場探し」の日がやってきた。
友人がリサーチして探してくれた5つほどの会場を
根拠のない直感で3つに絞り込み、
そのうちの会場のどれかにしようと思っていた。
「蒲田」か「新宿」か・・・・もう一つは忘れた。(笑)
忙しい一日になると思い、
一番目の視察会場の蒲田の「産業プラザPio」には、
朝9時には着いていた。

そして会場候補の「和室」を見せてもらう。

それを見せてもらった時、
ぼくの予定は大きく変わった。
想像もしていなかった展開だった。
ぼくは数分間、悩んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・完璧だ!」
「他の会場を見る意味はあるのか?」
夕方までの予定だった会場探しの一日は、
わずか10分で終わった。
3ヶ月後の会場を借りる手続きを済ませ、
ぼくは外に出た。
快晴の空は、清々しい気分にしてくれた。
蒲田の町をゆっくりと散歩しているぼくの目に飛び込んできたのは、
「蒲田八幡宮」と満開の桜だった。

「この町とご縁があったようです。
3ヶ月後にまた来ます。
よろしくお願いします」
ぼくは手を合わせた。
どうなるか分からない未来だった。
何の確証もない未来だった。
不安と恐怖がいっぱい。
乗り越えていく自分にわずかな期待。
その先の景色を見てみたい。
けっこうな葛藤があった気がする。
でも、もう忘れた。
のど元過ぎれば、なんとやら・・・。(笑)

踏み出さなかったら
決して見ることができなかった景色。
それは、
こんな仲間たちとの
奇跡的な出会いだったのかもしれない。
PS.
3ヶ月後の講習会を終え、宮崎に帰って来たぼくは、
「蒲田」の講習会場のすぐそばで、
宮崎で出会った友人夫妻が、
レストランをオープンしたという奇妙な偶然を知る。
☆youshoku calmo(洋食カルモ)
ただ
「出会った」という一言では簡単に済ますわけにはいかないほど、
運命の出会いと言っても過言ではないほど、信じられないものだった。
サマディーの大きなターニングポイントに現れた
天使だったと今では思う。
それがまた、こんな場所で?
偶然選んだ東京の片隅のこの会場のすぐそばで?
ありえないような偶然に鳥肌が立った。
その3ヶ月後の2度目の東京講習会で、
数年ぶりの再会を果たす。
人は、縁ある場所に導かれ、
縁のある出会いに遭遇する。


自分の意志で決めたようなことも、
不安いっぱいで勇気を出して
やっと踏み出した一歩も、
もしかしてそれは、
予定通りのストーリーだったのかもしれないね。
そういう思いに辿り着くたび、
ぼくは天を見上げ、
苦笑いをするしかない。
「結局、すべてはうまくいくんですね」って。
(終わり)
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