友人の結婚式

大学時代の友人の結婚式には、
懐かしい仲間たちの顔が集まっていた。
あれからもう20年たったんだね。
みんな中年太りのおっさんになっていた。
新郎のプロフィールを見て
ビックリした。[#IMAGE|S5#] ”大学生活6年、
工学部だったけどスーパーマーケットに就職”

よくもまあこんな恥ずかしいことを
堂々と書けたもんだ。
少々呆れた。[#IMAGE|S42#] 僕らは同じ寮だった。
朝から朝まで麻雀に明け暮れていた。
時には、
10時開店に合わせパチンコ屋に並び、
夜は夜食で、長浜ラーメンまで車を走らせていた。
オープンカーのジープには、いつも長淵が流れていた。
ある時、後輩の一人が僕のところにやってきて、
「責任を取って下さい」と
一枚の紙を差し出した。
『どうした?』と聞くと、
「留年が決定しました」という。
「哲さんのせいで、こうなったようなもんです」
と怒り心頭だった。
僕は言った。
『誘惑に負けたお前が悪い。
じゃ~気晴らしに麻雀でもすっか?』
僕の仲間は、5、6人いた。
みんな麻雀、パチンコ、ギャンブルに明け暮れ、
遊びの限り尽くした学生生活を送った。
そして、
みんな例外なく留年した。
学校に行こうとしている奴に麻雀を誘った。
彼は言った。
「中国語の授業は出ないとやばいです。
勘弁して下さい」
僕は言った。
『麻雀も中国語じゃねーか。いいから来い!』
ハチャメチャな先輩のお陰で、
みんなの人生、ハチャメチャになった。(苦笑)[#IMAGE|S23#] しかし、誰一人として退寮して、
憧れのアパート暮らしを選択する者はいなかった。
なぜならそれは、
ぶっちぎり最高に楽しい日々だったからだ。

僕は大きい声で会場の人々に言いたかった。
『彼が大学6年行ったのは、僕のせいです』と。
そんな話をビールを注ぎながら、
新郎の彼に言った。
すると彼は、
「なんばいよっとですか。今あるのは哲さんのお陰ですよ。感謝でいっぱいです」
いつの間にか彼は、懐の大きい男になっていた。(爆)[#IMAGE|S3#] 彼のプロフィールは、
もしかしたら、胸を張って言える誇り
だったのかもしれない。
ホントあの頃はめちゃくちゃ楽しかったね。
何一つ後悔などない。[#IMAGE|S3#] でもどういうことだ?
お前にこんな美人な奥さんは、似合わんぞ![#IMAGE|S31#]

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