僕のコーチ①

今回、基金訓練では「コーチング」というものを
ぜひ体験してもらいたかった。
これは、僕の原点のお話です。
あれは、僕が会社を辞め、
インドへ飛び立つ1年前のこと。
朝も早い5時半、
福岡行きの高速バスに乗り込むと、
そこに見覚える顔が乗っていた。
『あれ?あなたは空手の道場に来てますよね?』
僕はあるきっかけで、空手の道場に通い始めていて、
その間もない頃だったので、
道場生の名前はよく覚えていない時だった。
そして、見覚えある顔の彼は、
僕より少し早く入門していた”シゲ”という好青年だった。
「こんな早いバスで、福岡まで?
でも、すっごい偶然ですね。
ところで福岡には何の用ですか?」
僕らは福岡までの長い道のりを
隣り同士に座って、延々と話し始めた。
それは、初めての感覚だった。
僕が日頃感じていること、そして興味ある世界、
その価値観の話が普通にでき、
ツーと言ったら、カーと返ってくる人物に出会ったのは。
僕らは夢中に話し続けた。
気がつけば、あっという間に福岡に着いていた。
そして、また道場で再会することを楽しみに別れた。
当時、僕は都城市に住んでいて、彼は宮崎市に住んでいた。
道場は、都城だったので、彼は都城まで通って来ていたのだ。
ところがある日のこと。
「今日は、都城の実家に帰るから」という話になった。
『へ~実家は都城だったんだ。』と住所を聞くと、
そこは、僕の住んでいる目と鼻の先だった。[#IMAGE|S5#] 僕らは、会うたびに時間を忘れ語り合った。
ファミレスで、延々と朝まで話し続けた。
今まで誰とも語り合うことの出来なかった世界。
僕の世界観を誰も理解してくれなかった。
周りの人達と同じような価値観で、
そして、誰の常識か分からない常識で生きたくなかった。
でも、誰も理解してくれない。
僕は、孤軍奮闘していた。
周りはおかしい、とは感じていなかったけど、
自分はおかしい、とも思っていなかった。
ある意味「変人」だったかもしれないけど。(笑)
僕の価値観は、
彼との語らいの中で響き合っていた。
そして、頭の中で漠然としていた思考は、
理路整然に整えられていった。
  僕は何がしたいんだろう?
  みんな何のために生きてんだろう?
  幸せってなんだろう?
  働くってことが生きること?  
  常識って何だろう?
  みんな個性ってあるのに、
  何でみんな同じ価値観でものを観ようとするんだろう?
  僕は、自分の常識すら疑いたい。
  自分の常識を超えていきたい!
  もっともっと自由な世界で生きたいんだ!!
何かが動き始めていた。
僕のエネルギーは、回り始めていた。
シゲに出会わなかったら、
今も悶々とした日々を生きていたかもしれない。
僕は決心した。
世間の常識にとらわれず、
やりたいことをやることを。
毎日を自由に生きることを。
(つづく)

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