ゆすの木③

僕のスピーチの後、
福島さんは、こう返答して下さった。
 人間はみな、横一線の存在なんですよ。
 誰が上とか下とかはない。
 だから社長は決して偉いわけではない。
 ただ僕の役割が社長だっただけなんですよ。
 それだけなんですよ。
 ただ、ディズニーランドには、VIPと呼ばれる人々がいるんだけど、
 それが「お客さま」なんです。
 そのVIPのために、我々は一生懸命、
 知恵をしぼって喜ばせようと頑張ってきたんです。
福島さんは、この小さなお食事会だけのために、
宮崎に来られた。
ギャラが出るわけでもなく、飛行機代は自腹。
成功したお金持ちは違うね、と思いがちだけど、
むしろ逆で、一般的に成功したお金持ちというのは、
無理にでもビジネスと結びつけて、
そこで利益を生むことを創造しようとする。
だからこそ、成功者になったわけで。
でも、福島さんの場合は、
お声を掛けてくれた方とのご縁だけで快諾された。
声を掛けた方は、僕ら10人ほどのためだけに、
福島さんを宮崎に呼ばれた。
”いつもの感謝の気持ちを込めて”と言われていた。
(それこそ、それは僕らのセリフのはずなのに)
そこには、損得のかけらもない「真心」だけがあった。
そして、福島さんのこんな言葉が印象に残っている。
 誰もが無力なんですよ。
 でも、その無力という穴が大きければ大きいほど、
 その穴の中には、違う力がいっぱい入ってくるんですよ。
 周りの仲間たちが、いっぱいその穴の中に、
 それぞれの力を投げ込んでくれるんですよ。
 だから無力でいいんです。
 そして、自分にできることを他人の大きな穴の中に
 投げ込んでみましょうよ。
 すると、自分の無力という穴は、
 きっと大きな力に満たされていることでしょう。
それぞれが、心の中になんらかの光をもらったようなお食事会でした。
(おしまい)

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