海と月

わずか5分で、この風景に出逢える場所に住んでいることを
僕は改めて感動した。

これを当たり前ととらえてしまう自分もよくあるけど、
この満月を見た時、海まで行くのに30分以上かかる場所に
もし自分が住んでいたら・・・・と考えると、
ゾッとしている自分を発見した。
僕は、海のそばで生まれ育ってきた。
その影響が、多分にあるとは思うが、
30分どころか、・・・・・3時間・・・・・・・何日も海までかかる場所に
住んでいる人はごまんといる。
僕はなんて幸せなんだろう、とこの景色を見ながら考えた。
夜風が気持ちよくて、「1時間だけ・・・・」と言って出掛けたのに、
僕は3時間・・・・・自然の中にただ1人たたずんだ。
広~い砂浜なのに、誰もいなかった。
都会の近くの海だと考えられないことだろう。
この広~い広~い海と空と砂浜と波の音の
ナチュラル・オーケストラの空間を独り占め。。。
波が静かだった。
風が気持ち良かった。
満月が美しかった。
潮の香りも優しかった。
これほど五感全てが絶妙に自然とフィットするタイミングは、
一年の内でもそうあることではない。
砂浜に寝っころがり、夜空を眺めていたら、
何個も流れ星が流れていた。

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