『永遠の0(ゼロ)』を読んで

今年の6月、祖母が亡くなった。

98歳という大往生だった。

祖母も本の中のストーリーのように、太平洋戦争で夫を亡くし、

戦後再婚した人だった。

その当時は、けっして珍しくない状況だったんだろう。

その先にぼくが生まれた。

 

祖母の亡くなった1か月後。

今度はおじさんが亡くなった。91歳だった。

最前線で戦ってきた陸軍のおじさんからこんな話を聞いたことがある。

 

ある島から馬と共に、輸送船に乗り込もうとした時、

馬が暴れ出し、船に乗り込むことができなかった。

上官から「お前は次の船に乗れ」

そう命令されたそうだ。

その乗れなかった船は航海中、米軍の空爆により撃沈。

全員死亡した。

そんな紙一重で命が助かったことが、2、3度あったそうだ。

 

おじさんは、誰もが認める村一番の働き者だった。

早朝から黙々と働いていた。

誰よりも働くその姿・・・・・・助かった命・・・・・

戦争体験と全く関係ないことだと、ぼくには思えない。

 

周りからあの太平洋戦争を体験した人々が去っていく。

いくらその体験を聞いたとしても、

それはどこか物語のような、どこか遠い国で起こった話のように聞こえる。

 

しかし、現実にこの国で起こった悲劇なんだ。

わずか60数年前に、日本国民が体験した壮絶な戦争だったんだ。

この本を読んで、改めてそう感じた。

 

日露戦争を舞台にした「坂の上の雲」を読んだ時、

100年以上も昔、日本を守った人たちがいたことを知った。

その人々のお陰で、ぼくらはロシア語ではなく、今も日本語を話せている。

あの時、もしかするとこの国は、ロシアのものになっていたかもしれなかった。

危うい奇跡の結末だった。

 

 

その頃の日本人は、こんなにも強くて、熱くて、優秀で、

こんなにも日本のことを愛している人々だったことに驚いた。

人類は進化しているというが、

100年以上も前の日本人の方が、

今の我々よりもはるかに進化した偉大な日本人に思えた。

 

 

そのわずか40年後に起こった太平洋戦争は、

愚かな日本人がやったことだった・・・・と、

どこかで聞いたそんな情報が、ぼくの記憶の中にはあった。

わずか40年で、「日本人は退化した。愚かな日本人がやったこと」

勝手にそんな空想ができあがっていた。

 

 

『永遠の0(ゼロ)』を読んで、その空想は吹き飛んだ。

 

いつの時代にも、日本人は一生懸命生きてきた。

この日本を守るため、愛する人を守るため、

必死に生きてきた民族であることを思い知った。

 

戦争というものは、悪いものであるだろう。

しかし、この国を守ってくれた人たちがいたからこそ

ぼくらは、こうして今、幸せに生きていることを心から感じた。

 

 

その時を体験した人々が、この日本からいなくなろうとしている今に、

この本がベストセラーになり、たくさん日本人が読むことになったことに

不思議な何かを感じます。

きっと時代が、ぼくらに何らかのメッセージを伝えているのかもしれない。

 

 

同時に、この本のキーポイントである「ゼロ戦」。

それを題材にしたアニメ「風立ちぬ」が大ヒットしている偶然にも、

偶然ではない何かを感じました。

 

 

この本は、ぼくにたくさんのことを教えてくれた。

極限の中で命をかけて、この日本のために戦った人々がいたこと。

20代前半の若者がゼロ戦に乗って、命のやり取りをしていたこと。

たくさんの日本人が死んだこと。

同じ数だけ残された者の壮絶な悲しみがあったこと。

 

想像するだけ、苦しい世界です。

でも同時に、想像以上に強い日本人がいたこと。

 

 

もしかすると、

ぼくに「この本を読みなさい」とすすめてきたのは、

祖母とおじさんかもしれないね。(笑)

 

永遠の0 (講談社文庫)

 

PS. 行く予定ではなかった「風立ちぬ」を

今度、観に行くことにしました。(^^♪

 

 

 

 

 

 

 

 

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